国内生産への過剰依存に潜むリスク
多くの業界にとって、中国は依然、モノを生産する一番の場所だ。
だが、迫りくる人口動態的な危機は国内生産への過剰依存に巨大なリスクが潜んでいることを意味する。
数人の工場長は熟練労働者の採用がますます困難になっている事情について話していた。
中国の国家統計局によると、民間部門の製造業の平均賃金は2022年末までの10年間で2倍以上に上昇した。
ほんの数キロ離れたところにあるシーインのオフィスを出入りする料理宅配サービスのドライバーや大勢の若いオフィスワーカーとの好対照には目を張るものがあった。
「人手が足りない。1日12時間労働のきつい仕事だ。ミレニアル世代はこの仕事をやりたくない」とある工場長はこぼした。
人口高齢化に対する解決策を掲げた中国政府の政策リストの一部は、労働力が減る未来に業界を備えさせることだ。
政府は製造の自動化といった措置によって「新質生産力(新しい品質の生産力)」を解き放つことについて語っている。