(放送コラムニスト:高堀冬彦)
向田邦子賞の史上最年少受賞者・吉田恵里香氏(36)が脚本を書いているNHK連続テレビ小説『虎に翼』が、終盤に入った。
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主人公の裁判官・佐田寅子(伊藤沙莉)は同じく裁判官の星航一(岡田将生)のパートナーとなるものの、入籍はしなかった。だから姓はそのまま。105回、時代設定は1956年だった。
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寅子には入籍によって姓が変わると死別した前夫・佐田優三(仲野大賀)に申し訳ないという意識があった。そもそも入籍によって姓を変えなくてはならないことに納得がいかなかった。
この気持ちを酌んだ航一は自分が佐田姓を名乗ろうとするが、今度は彼の継母の百合(余貴美子)が頑として許さなかった。2人で散々悩んだ末の未入籍だった。
2人はこの決断を下す前、山田轟法律事務所に出向く。103回だった。そこには寅子の明律大法学部の同級生で弁護士の轟太一(戸塚純貴)、その同性パートナーの遠藤時雄(和田正人)がいた。
さらに轟の友人・千葉(ニクまろ)と同性パートナーの秋田(水越とものり)、性転換手術を受けたバーの経営者・山田(中村中)も同席した。愛し合っていても入籍できない人たちや心と体の性を一致させることが許されない人だった。