日本のM&A市場に異変
買収対象になり得る日本企業のリストには明らかに魅力的な企業の名前(ヤクルト本社、コナミ、キヤノン、任天堂、ヤマハなど)が並んでいたが、買いたいと思っている外国企業は何十年もの間、日本企業の買収を断念してきた。
日本では、国内企業同士の合併であれ外国企業による買収であれ、企業の支配権を売買する市場が適切に発展していなかった。
その理由の一端は、株主の利益を何よりも優先するという考え方を日本企業が誰にも強制されてこなかったことに求められる。
バリュエーション(企業価値評価)を押し上げるエンジンがないために、東京証券取引所には素晴らしい輝きを放ちながら、かなり割安な銘柄がゴロゴロしている。
例えば、ACTが運営する店舗の数はセブン&アイの約5分の1だが、時価総額は1.5倍だ。
日本企業は利益獲得に熱心だと見なされていない。
超低金利時代が何年も続いていることは、そういう企業が大多数を占めることを意味しているからだ。