(小林偉:放送作家・大学教授)
【熱狂パリ五輪】日本代表はいくつのメダルを獲得できるのか?注目競技と選手を検証
海外で開催された五輪では最高の獲得数
8月11日(日本時間、8月12日早朝)、華々しく幕を閉じたパリオリンピック。前回は、大会直前ということで日本代表のメダル予想を試みましたが、今回はその答え合わせを兼ねた、検証を行ってみたいと思います。
まず、以下が競技別、男女・混合別のメダル獲得一覧表です。
3年前の東京では、金27個を含む合計58個ものメダルを獲得した日本代表ですが、今回は、金20個を含む合計45個のメダルを獲得。既に多くのメディアでも取り上げられている通り、海外で開催されたオリンピックでは最高の獲得数となっています。
メダルを獲得した競技は全部で16。東京では18でしたが、除外されてしまった野球/ソフトボールと空手を別にすると、ボクシング、バスケットボール、サーフィン、自転車、アーチェリーの5競技で今回はメダルを逃し、セーリング、馬術、近代五種、飛び込み、ブレイキンの5競技で新たに表彰台へ上りました。
ブレイキンは今回初めてオリンピックに採用された競技でしたが、セーリングは2004年のアテネ大会以来20年ぶり、馬術は1932年のロサンジェルス大会以来、実に92年ぶり(この時のメダリストは、映画『硫黄島からの手紙』にも登場するバロン西こと西竹一、伊原剛志が演じた役ですね)の獲得。そして近代五種と飛び込みは、日本スポーツ史上初のオリンピックメダルとなりました。
また、やり投げの北口榛花が、陸上女子でマラソン以外初めての金メダルを獲得したのも凄いこと。こうして、競技の幅が広がっているのは、素晴らしいことですよね。
一方で、いわゆる団体球技(バスケットボール、3×3、バレーボール、ビーチバレー、
こうした中、活躍度という点で特筆すべきはレスリング。男女それぞれ4個ずつの金メダルを含む計10個のメダルを獲得。金メダル20個中の8個がレスリングですから、大躍進です。それと体操の岡慎之助が個人総合、種目別の鉄棒で金、平行棒で銅と1人で3つのメダルを獲得したのも驚異的です。
また、フェンシングも金2、銀1、銅2と5個ものメダルを獲得する大活躍。しかも、エペ、フルーレ、サーブルの3種目すべてで表彰台です。以前から育成方法に定評のあったものが、確実に実を結んでいる証左ですね。
体操、柔道、レスリング、バドミントン、陸上、卓球、競泳の7競技が前々回のリオ大会から3大会連続でメダルを獲得。これにフェンシングを加えた8競技が現代日本スポーツ界の“お家芸”なのは確実に証明されたと言えるでしょう。ですが、大会ごとにメダル数が減少している競泳が正念場を迎えているのは否めません。