JAXA「競争することは私たちの目標ではない」

 田中氏はSLIMを月に運ぶためのメインエンジンや姿勢制御用スラスタ、推進薬タンクなどをつなぎ合わせ、月面に着陸できるよう設計した。「動力降下と垂直降下という2つの異なるフェーズがあり、目標から100メートル以内に着陸した」と胸を張る。

 しかし、着陸直前に2基あるメインエンジンのうち1基が破損、「逆立ち状態」で着地するトラブルに直面したSLIMは3回「越夜」した末、昼は摂氏110度、夜は氷点下170度という厳しい環境下、運用を停止した。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)の北川智子氏(筆者撮影)
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 宇宙航空研究開発機構(JAXA)の北川智子氏は「JAXAは持続可能性を意識して再利用可能なロケットを実現しようとしている。競争することは私たちの目標ではない。その分野の空白や最終的に人類に役立つような科学を探したいと考えている」とアピールした。

「ロケットを発射する際には廃棄物やゴミの心配もある。私たちは衛星の回収に多くの投資をしている。新しいクリーンアップシステムを開発し、環境を意識した開発サークル空間を持とうとしている」と北川氏。しかし“宇宙大国”中国は日本はおろか米国の先を行く。