極右政党が政権を担いはじめた

 隣国で極右内閣が誕生しかねない状況に「気がめいる」とこぼしていたドイツのショルツ首相は7日、「ドイツとフランスの友好関係に良いニュースだ。EUの精神に基づき建設的に政府を樹立することが重要だ」とX(旧ツイッター)に投稿した。

 だが、これで一件落着とはいかないだろう。欧州では極右勢力が着実に地歩を固めつつあるからだ。

右派政党「イタリアの同胞」を率いるイタリアのメローニ首相(写真:ロイター/アフロ)

 右派政党「イタリアの同胞」を率いるイタリアのメローニ首相が6月30日に「左派に投票しない極右の有権者を『悪魔化』」する試みは薄れている」との見方を示したように、グローバル化の進展により中心が左寄りとなっていたEUの政界で揺り戻しが起こっている感がある。

 極右はもはや「異端」とはみなされなくなっているようだ。6月30日の1回目の投票でRNの躍進を支えたのはフランスの「女性票」だったと言われている*1

*1【解説】フランス総選挙、極右躍進を支えたのは意外にも「女性票」だった(7月2日付、クーリエ・ジャポン)

 すでに、極右政党は政権を担い始めている。

「オランダのトランプ」とも呼ばれる極右政党・自由党(PVV)のウィルダース党首(写真:AP/アフロ)

 EU域内で5番目の経済規模を誇るオランダでは7月2日、昨年11月の下院総選挙から約7カ月を経て、反移民・反EUを主張する極右の自由党(PVV)が主導する4党連立政権が発足した。

 PVVは過去に閣外協力をしたことがあるが、政権を担うのは初めてだ。4党連立政権は難民・移民政策を厳格化し、独自に国境管理を強化する方針を示しており、オランダとEUの間の関係悪化が懸念されている。

 EU最大の経済大国ドイツでも極右政党が勢力を伸ばしている。