(2)蓮舫氏について

 蓮舫氏はどうか。

「2024年6月 東京都知事選挙出馬のため参議院議員を自動失職」と書かれた「東京都知事候補 蓮舫」の「プロフィール 蓮舫Official Site」の巻頭(全体)説明を見ると次のように書かれている。

「幼稚園から大学まで青山学院に通学。大学在学中に芸能界デビュー。番組司会や報道キャスターとして活動し、北京大学に留学」

 その後に続く写真入りの個別説明では、次のように続く。

「1995~1997年北京大学漢語中心に留学。中国語や中国の文化、政治経済を勉強、2004年7月初当選、2010年6月内閣府特命担当大臣(行政刷新担当)に就任、2010年9月~内閣府特命担当大臣(筆者注:担当細部略)、内閣総理大臣補佐官を歴任」

 初出馬時の選挙公報には「北京大学に留学」と明記していたが、その後の選挙公報では同様の記載は消える(「週刊文春」2024.6.20)。

 漢語中心は語学センターのことで語学留学であって、正式には語学研修と呼ばれるもので希望すれば基本的には誰でも参加できる。

 英情報誌の世界大学ランキングによると北京大学は東京大学よりも上位である(同上週刊誌)。北京大学と北京大学漢語中心は似て非なるものである。

 また、公式プロフィールと言いいながら、一方では北京大学と書き、他方では北京大学漢語中心と矛盾したことを平気で書く。

 悪く解釈すれば、北京大学を強くにじませながら、問題が起きた時には北京大学漢語中心と書いているではないかという逃げ道を作っているようにしか見えない。

 蓮舫氏には二重国籍問題があった。

 憲法は日本国籍者を相手に記載されている。多重国籍でも日本国籍があればいいではないかという考えもあろうが、望ましくない理由として次のようなことが挙げられる。

○複数国から兵役義務等の国民としての義務の履行が求められる

○国籍のある国の間で外交保護権が衝突する

○複数国の旅券取得が可能になり出入国管理上の問題が生じる