生団連会長に再選された小川氏(撮影:JBpress)

小川賢太郎会長が再選

 国民生活産業・消費者団体連合会(生団連)の定時総会とパーティーが6月6日都内のホテルで開かれた。

 政治資金規正法改正案が衆院を通過した直後で、岸田文雄総理をはじめ主な政党のトップや幹部が出席したこともあり、同パーティーにはメディアが多くかけつけた。

 今回の定時総会で生団連会長に再選された小川賢太郎ゼンショーホールディングス会長兼CEO(最高経営責任者)は、パーティーの冒頭、政治資金を巡る国会の混乱に次のように苦言を呈した。

「国会でいろいろな議論があったが、議論が矮小化されている印象だ。公開条件を5万円にするかかどうかの議論もいいが、国民に疑惑をもたれないように透明性を担保する議論が必要だ」

「公開企業は四半期ごとにカネの使い方をきっちりと報告している。そうしたことがなぜ国会議員にはできないのか」

「私は常日頃、お天道様が見ているよと社員に語りかけている。不正を働けばいつか大きな代償を払うことになる。国会議員の方々にもそのような認識を持ってもらいたい」

 こう発言すると、会場のあちこちから大きな拍手と歓声が上がった。その後も小川会長が何か言うたびに、同じような拍手と歓声が聞かれた。

 企業団体のパーティーではあまり見られない光景で、小川会長の人気が極めて高いことが伺われた。

 本人は嫌がるかもしれないが、まるで強力なサポーターに囲まれて演説する米共和党の大統領候補のようでもあった。

岸田首相は一言も触れず

 一方、その後に登壇した岸田首相は、政治資金規正法については一言も触れなかった。

岸田首相

「30年ぶりに5%を超える賃上げが実現できた。設備投資も100兆円を超え、デフレ脱却の明るい兆しが見えてきた。この動きを定着させ、今日より明日が良くなっていく社会を実現していきたい・・・」

 岸田首相に好意的な見方をすれば、一言も触れないことで、何かを暗示したかったのかもしれない。