バーガーキング、タコベル…軒並み値上げに動く
まず職場で離職が増える可能性がある。最低賃金は、単に企業が採用に際して提示する給与条件に影響するだけにとどまらない。すでに働いている従業員のあいだでも同時に賃上げを求める声が出てくる可能性がある。
労働者の「売り手市場」の状況ではその傾向はますます強くなる。従業員からの賃上げ要求に迅速に対応できず、結果として離職者の増加につながるケースも出てくる。
さらに商品の値上げである。
ある調査によると、最低賃金引き上げのわずか1カ月で「バーガーキング」は2%、タコスのファストフードチェーンの「タコベル」は3%、メキシカンファストフードの「チポレ」は7.5%、ハンバーガーチェーンの「ウェンディーズ」は8%と、それぞれ値上げしたと報じられている。言うまでもないが、商品の値上げは消費者である働き手自身にも跳ね返ってくる。
商品価格を維持する代わりに雇用や一人あたり労働時間を減らすといった対応も考えられる。ピザチェーンの「ピザハット」は、最低賃金の引き上げが決まってすぐに州内の1200人を超える配達員の解雇を発表した。また、同社のいくつかのチェーン店でデリバリーサービスを廃止したことが明らかになった。
同じくピザチェーンの「エクスカリバーピザ」は、4月に73人の配達員を解雇した。ただし、「当社はデリバリーサービスを第三者に手渡すことにした。ゆえに解雇というよりは雇用移転と見ている」とし、さらには「多くのレストラン経営者は経営コストの上昇を受けて同じような対応を採っている」と付け加えている。
労働者ではなく技術に投資する企業も出てこよう。