エヌビディアのジェンスン・ファンCEO(写真:AP/アフロ)

 米半導体大手エヌビディア(NVIDIA)の業績拡大は止まらないようだ。テクノロジー大手による生成AI(人工知能)への投資が勢いを増すなか、同社製GPU(画像処理半導体)の争奪戦が繰り広げられている。

売上高3.6倍、純利益7.3倍

 エヌビディアが2024年5月22日に発表した、2025会計年度第1四半期(2024年2~4月)決算は、売上高が260億4400万ドル(約4兆800億円)だった。前年同期の3.6倍となり、前四半期に続き200億ドルを超えた。純利益は148億8100万ドル(約2兆3300億円)で、7.3倍。売上高、純利益ともに過去最高を更新し、アナリストの予想を上回った。

 併せて発表した、25会計年度第2四半期(24年5~7月)の売上高見通しは280億ドル(約4兆3900億円)前後で、これもアナリスト予想を上回った。

 エヌビディアのジェンスン・ファンCEO(最高経営責任者)は決算説明会で、「次の産業革命が始まった。企業や国はエヌビディアと提携し、数兆ドル規模のデータセンターをアクセラレーテッド・コンピューティングに移行している。新しいタイプのデータセンターであるAI工場を構築して、新しい商品である人工知能を生産している」と自信を示した。

 米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、この決算発表を受け、同日の米株式市場の時間外取引でエヌビディア株は6%上昇し、1000ドルを超えた。

 エヌビディアの株価は過去1年で3倍以上になり、時価総額は2兆ドル(約313兆円)を超えた。エヌビディアは決算発表で、24年6月7日付けで1株を10株に分割することも明らかにした。四半期配当も4セント(分割前ベース)から10セント(同)に増額する。