米半導体大手エヌビディア(NVIDIA)の業績拡大が続いている。テクノロジー大手による生成AI(人工知能)への投資が活況を呈すなか、それを支える同社製GPU(画像処理半導体)の需要増には終わりが見えないようだ。
売上高、純利益ともに過去最高更新
同社が2月21日に発表した、2024会計年度第4四半期(23年11月~24年1月期)決算は、売上高が、221億300万ドル(約3兆3200億円)で、前年同期の3.7倍だった。四半期売上高の200億ドル超えは、これが初めてである。純利益は122億8500万ドルで、8.7倍。売上高とともに過去最高を更新した。
併せて発表した、25会計年度第1四半期(24年2月~4月期)の売上高見通しは240億ドル前後(約3兆6100億円)で、市場予測の220億ドル前後を上回った。
エヌビディアのジェンスン・ファンCEO(最高経営責任者)は決算説明会で、「AIは転機を迎えた。AI基盤となる、計算能力に対する需要は依然として膨大だ。企業、業界、国家を超えて世界中で需要が急増している」と述べた。
米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、この決算発表を受けて、同日の米株式市場でエヌビディア株は、一時約8%上昇した。
AI向け半導体部門5.1倍、全売上高の83.3%に
売上高を事業部門別に見ると、AI向け半導体を含むデータセンター部門は、184億ドル(約2兆7600億円)で、前年同期の5.1倍になった。同部門の売上高全体に占める比率は83.3%に達した。この比率は、24会計年度第1四半期で59.6%、同第2四半期で76.4%、同第3四半期80.1%と、四半期ごとに上昇している。