摩訶不思議で興味の尽きない国、それが日本
時速600キロの新幹線をつくれるのに、お寺の煙を浴びれば体の悪いところが治ると思っている。10個も20個もボタンのついたトイレを使いながら、いまだに天の川に人が住んでいると信じていて願いごとをする。人間と会話できるロボットをお披露目したかと思えば、褌一枚の男たちが真冬の祭りで頭から冷水をかぶって気勢を上げている──。
このようなことは、イラン人にはほとんど理解不能である。われわれ日本人からすれば、別に迷信という意識はないし、そもそも大真面目にやっているわけでもない。
そう言うと今度は、「じゃあ、なぜ続けるのですか」と詰め寄られるのだが、とにかく彼らにとって摩訶不思議で興味の尽きない国、それが日本なのである。