『源氏物語』の作者、紫式部を主人公にした『光る君へ』。NHK大河ドラマでは、初めて平安中期の貴族社会を舞台に選び、注目されている。第15回「おごれる者たち」では、独裁ぶりに拍車がかかる藤原道隆に対して、弟の道長はますます不信感を持つことになり……。今回の見どころについて、『偉人名言迷言事典』など紫式部を取り上げた著作もある、偉人研究家の真山知幸氏が解説する。(JBpress編集部)
『枕草子』では気さくな男として描かれる藤原道隆
権力を持つとガラリと態度が変わる人がいるが、『光る君へ』では、井浦新演じる藤原道隆が、まさにそんな人物として描かれている。以前の道隆は、公私共にソフトな人柄だったが、今や関白となり、仕事のことで弟の道長の声に耳を傾けることはない。
今回の放送では、ファーストサマーウイカ演じる「ききょう」が、高畑充希演じる藤原定子から「清少納言」という名を与えられる場面が出てきて、SNSでは「清少納言、爆誕!」と話題になった。
そんな清少納言が著した『枕草子』によると、道隆は家族や女房の前で冗談をよく言うような気さくな性格だったらしい。定子の局を訪れて、女房をからかっては場の雰囲気を盛り上げてくれる存在だった。
政治家として独裁ぶりを発揮する道隆だが、今後の展開では、清少納言らの前でジョークを飛ばす道隆の姿も描かれるのだろうか。二面性がありそうな人物として、うまく人物描写されているので、より怖さが増しそうで楽しみである。