長ネギをつけたヘルメットを手に喜色満面の野党「共に民主党」の李在明代表。今回の選挙戦で「ネギ」が与党攻撃の格好の材料になった(写真:YONHAP NEWS/アフロ)

チャーチルの箴言

 英国を第2次世界大戦で勝利に導いたウインストン・チャーチル首相は、戦後の1947年11月11日、英国国会での議論の中で宣(のたも)うた。

「多くの政治体制が試みられてきた。そして罪深く悲哀に満ちたこの世界では、これからも試みられるだろう。そんな中で、民主主義が完全だとか、賢明であると見せかけることなど、誰にもできない。実際、民主主義は最悪の政治体制と言うことができる。ただし、これまで時代から時代へと試みられてきた他のすべての政治体制を除けばだが」

ウィンストン・チャーチル(ユーサフ・カーシュ, Public domain, ウィキメディア・コモンズ経由で)

 こうして戦後の西側の民主主義陣営が結束し、ソ連を中心とした社会主義陣営と、長い「冷戦」を戦った。1991年にソ連が崩壊し、民主主義陣営が勝利を謳歌したまま、21世紀に突入した。

 21世紀には、社会主義陣営の中から中国が台頭したが、現在、世界中の国が模倣しているわけでは、決してない。つまり、「民主主義に代わる新たな世界の規範」とはなっていない。中国自身も、「中国の特色ある社会主義」と呼んでいる。

 それでは、民主主義陣営の方はどうか。こちらも60カ国以上で大きな選挙が行われる「選挙イヤー」の2024年、だいぶ怪しいことになっている。様々な「民主主義の欠陥」が露呈しているからだ。