4月14日、平壌の金日成広場で行われた金日成主席の誕生112周年を祝う青年学生の夜会(写真:朝鮮通信/共同通信イメージズ)

 4月15日の北朝鮮は「民族最大の祝日」、金日成(キム・イルソン)主席の誕生日である。今年は金日成主席の生誕112周年で、翌16日の朝鮮労働党中央委員会機関紙『労働新聞』は、「民族最大の祝日」を、「革命の首都」平壌を始め、全国津々浦々で祝ったという記事であふれた。

中国序列3位

 それらの見出しだけを訳すと、以下の通りだ。

・人民の忠正で永遠の朝鮮の春
・偉大な首領・金日成同志と偉大な領導者・金正日(キム・ジョンイル)同志の銅像に、主体思想国際討論会参加者たちが花束を進呈
・4月の名節と合わせた、終わりなき満ち足りた愛すべき父(金日成主席)の大いなる愛
・父の首領様の愛すべきその姿を、人民は忘れません
・永遠の生命力で革命の勝利的前進を推し進めてくれる高貴な持論
・偉大な首領・金日成同志の肖像画に、意義深い4月の名節に合わせて総連中央幹部たちが花束進呈
・我が元帥様の恩徳で我が祖国に春があふれてきました
・日増しに花が咲く新たな家の慶事、社会主義文化農村の情緒
・偉大なる首領様・金日成同志の生誕112周年慶祝で、国立故郷楽団音楽会を進行

 これらの「おめでたい記事」を熟読していて、ふと気がついたことがあった。13日に平壌の朝鮮労働党本部庁舎で、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)と会談したばかりの趙楽際(ちょう・らくさい)中国全国人民代表大会常務委員長(国会議長)が、消えていたのだ。

 中国共産党の序列でナンバー3の趙楽際委員長は、この「民族最大の祝日」を、中朝の「血盟の友誼」で祝うために訪朝したのではなかったか?

4月13日、訪朝した中国の全国人民代表大会常務委員長の趙楽際氏を歓迎する金正恩総書記(写真:新華社/アフロ)