人の本当の幸せとは?
福永氏は離婚してから精神を病んでしまい、金銭的にも困窮し、自己破産した。高給として知られる元電通マンと自己破産という組み合わせはあまり想像しにくいが、電通を退職してからの数年間で人生への意欲を失ってしまったのだという。その後、病気も患い、死を意識する中で人生を書き残そうと思い立ち、本書の執筆に至った。
本書の中には、まだまだ今の時代では考えられないような、昭和時代ならではのエピソードが数多く詰まっている。バブルを知らない若い世代も本書を通じて、当時の雰囲気を垣間見ることができる。
筆者はその後、離婚以来連絡を取っていなかった息子と再会するなど、新たな人生を歩み始めている。仕事に人生を捧げてきた福永氏の半生に触れることで、本当に自分が求めているものは何なのかを考えるきっかけになるかもしれない。