心拍のリズムはみんな違う

「いろいろな鍼灸院のホームページを見ていたら、ねえ、先生、電気もあるんですよね?」

 ハリの柄から電気(低周波)を流して筋肉をゆるめることを狙う治療法も世の中にはあるそうですが……

「……ありますよ」

 背中に関してはやはり奥に心臓もございますので、電気の振動まで与えて固有の心拍のリズムまで乱してしまうのが当院としては怖く……

「……ありはしますけど、当院ではおこなわないですかね」

 呼吸の呼息(吐く)と吸息(吸う)に合わせて、ドックンドックン……収縮と拡張とくり返している心拍のリズムではありますが……

「……とくに背中にたいしては」

 もちろん背中と同じように、そのリズムはみなさん異なっています。

「……みなさん、それぞれのリズムを持っていますので」

「……リズムを矯正するのではなく」

 ドックンドックンのみならず、トックントックンやトットットッやツォックツォックやポッポッポッやPPPといった大・小/深・浅/長・短/太・細等々のリズムに合わせて……

「……リズムに合わせて治していかないと」

画像:『背中は語っている<からだのことば>を解きほぐす東洋医学』(松波太郎著、晶文社)より

 脊柱起立筋の方にまで血液がまんべんなく循環しだし……

「……すぐに戻ってしまいますし」

 ゆるんできて、緊張もほぐれ、色合いの方も明るくなってきたでしょうか?

「無理も出てくるってことですねー」

 まん中の背骨への圧迫も、回を重ねるごとになくなってきている印象です。

「……ええ」

 背骨そのものの方も久しぶりに緊張から解かれて……

「なんだか身長がのびたー気がする」

 下〜上に向かって伸びをしているようにも見受けられてきます。

>>◎前編:【鍼灸師が読み解く「背中」(上)】真ん中が黒ずんでいる人は要注意!かゆくて掻きむしり睡眠不足か、それとも…

背中は語っている<からだのことば>を解きほぐす東洋医学』(松波太郎著、晶文社)