これまでの健診では引っ掛からなかったのに
「これまでの〜健診では」
「……ええ」
「だいじょ〜ぶだったんですが」
「……そうですか」
臓器の方まで圧迫しだしているのかもしれませんが、前年の健診(レントゲン)では異常がなく、今年の健診で初めて指摘されたという側弯症ですので
「いつの間にかカ〜ブしているみたいで」
これ以上曲げないようにする現状維持だけでなく、もとの状態に戻すことが出来るかもしれません。
「そ〜ちゃくしてみてもいいかも〜、とも言われたんですが」
というように病院の方で浅く提案されたというコルセットは、まだカーブが小さいことと見た目上の問題も気になるらしく、判断を保留にしているそうです。
「“そ〜ちゃく”じゃなくて、装着です、先生」
たしかに弯曲を進行させない程に固めてしまっては、動きが多少なりとも制限されるのみならず、血行も阻害されてしまうでしょうか……
「……なるほど」
スクリューやロッドを入れて矯正するという大掛かりな外科手術にまで、このまま進ませていくのを黙って見過ごしているわけにもいきません。
「……状況はわかりました」
椎間のテンション・緊張も強くなっているので、椎間へのハリ刺入を施し
「……最善を尽くします」