どんな人が数学を好きになる?

 math channelでは独自に「算数・数学に対する意識調査」を行っている。そのアンケートでは、算数・数学を好きになったきっかけとして、授業で褒められたことや、親と一緒に難しい問題を考えたことなどが挙がっていた。また、わからなかった問題がわかるようになった時の爽快感や、テストで点数が取れるようになった喜びで好きになったというパターンも見受けられた。著者はその内容を以下のようにまとめている。

こうやって見てみると、
●小学校入学以前、もしくは小学生時代に好きになった人は、保護者など身近な大人との日常の何気ない関わりの中で算数を好きになった
●中学生からは、学校や塾の先生が数学の面白さを実感できるアプローチをちりばめてくれたおかげで数学の楽しさに気づいた
という人が多いようです。

「好きこそ物の上手なれ」というが、算数・数学に対して「楽しさ」を感じ、好きになることが算数・数学を得意になる近道なのだろう。そして、得意だからこそ、さらなる「楽しさ」を発見でき、もっと算数・数学を好きになっていくのかもしれない。

「楽しさ」を感じる機会がなければ、苦痛に思うだけかもしれない(写真:takasu/イメージマート)

大人になってから算数・数学を好きになる方法

 では、大人になってから算数・数学を好きになるにはどうすればいいのだろうか。

 著者が算数・数学を楽しむためのマインドを提案している。その1つである「ゲームのようにプロセスを楽しむ」を紹介したい。

勉強もゲームと似ているところがあります。例えば小学生の頃、理科や算数、音楽や体育などさまざまな科目を学習する中で、「学ぶことって楽しいな」と感じた経験はないでしょうか。「知的好奇心」という言葉がある通り、新しいことを知ったり、できるようになったりする過程はもともと楽しいはずなんです。算数・数学でいえば、「問題を解くこと」「理解すること」がゲームクリアだとしたら、「それに至るまでの思考の過程」がゲームのプロセスであり、新しいことができるようになる「わくわくする時間」です。 

 学ぶことを強制されていた昔と異なり、自分の意志で学び、できなかったことができるようになるプロセスは確かに快感かもしれない。