ストも多く、経営者は厳しく突き上げられる
そしてもう一つ、オーストラリアで賃金が上がっている理由は、労働者が声を上げているから。賃金に納得がいかないとなれば、労働者は経営者に対して賃金交渉をする。これが、半端なものではないと聞いた。また、年平均で5%前後ずつ上がっていくことも珍しくないという。
端的に、賃金を上げてくれなければ会社を去るぞ、とやるわけである。優秀な人材には去ってほしくないから、経営者は賃金を上げるしかない。そして、賃金をちゃんと上げられるだけの経営を推し進めていくしかない。
「景気が悪いので、ちょっと賃上げはできない」「業績が良くないので、給料は大きくは上げられない」などと経営者が考えたら、その場から労働者が去ってしまうだけである。そんな経営者のもとで働く理由などないからだ。
つまり、経営者は厳しく突き上げられるのだ。それに応えることができなければ、社員は去ってしまう。人手を確保することができなくなるのである。
オーストラリアでは、ストライキも多い。賃金アップに対して納得いくような回答が得られなければ、ストライキという手段に出るのだ。労働者も賃金をアップしてもらうということに対して、しっかり努力しているということである。