高額接待を受ける側の独白
しかし、華やかな大宴会に、Cさんはバカバカしさしか感じていない。
「確かに接待すれば、契約はしてくれる。でも、極論を言えば、営業マンが財布代わりに付き添っているだけ。僕の営業活動が役に立っているわけではない」
実は、この仕事に疑問を感じたのは、Cさんが初めてではない。
「僕の前に入った若手の営業マンが、これまで10名くらい辞めています。僕の後に新卒で入った20代は、たった2カ月で辞めました」
営業とはいえ、過剰なノルマを要求されたり、飛び込み営業をさせられるわけではない。キャバクラの付き添いは、楽といえば楽な仕事である。
しかし今、会社にはCさんのほかに20~30代の営業マンはいない。40〜50代の先輩営業マンはこの仕事を楽しんでいる。支店長に至っては、ゴルフ接待もあるため、仕事の95%が接待だという。
「ウマイものを食べられるし、キャバクラや風俗にも行けるし、美味しい仕事だと言ってますね」
ちなみに、接待を受ける側はどう思っているのか。冒頭に登場した建設会社の社長はこう話す。
「そりゃあ高額接待を受けたら、そのメーカーの商品を買うよ。でも、オレの会社で使う材料の7割は同じメーカーから買っているけど、そこから接待を受けたことは一度もない。そことは信頼関係でつながっているから」