コロナ禍を経て、再び灯がともり始めた銀座の夜(写真:アフロ)

 低賃金、やりがい搾取で働く人を追い詰めるブラックな職場。その一方で、ムダで無意味なうえに有害、なのにしっかり給料がもらえる「クソどうでもいい仕事(ブルシット・ジョブ)」が存在する。今やホワイトカラーの半分以上が「クソどうでもいい仕事」ではないかという疑惑さえあるが、日本にはどのようなブルシット・ジョブがあるのか。現場からの告発をリポートする。(若月 澪子:フリーライター)

※副業する中高年のおじさんの「愛しさと切なさと心強さ」を描く若月澪子著『副業おじさん 傷だらけの俺たちに明日はあるか』(朝日新聞出版)ただいま好評発売中!

 後輩芸人たちによる大物芸人の「お接待」。酒席でおじさんの周りに侍る女性を調達するという「文化」は、芸能界ならありそうだと、われわれ一般人は思う。しかし、こうした風習が続く業界はほかにもある。例えば、建設業界がそうだ。

 取引先から接待をよく受けるという建設会社の社長(30代後半)から、こんな話を聞いた。

「ウチが材料を購入するメーカーからの接待はけっこうあるよ。接待を受ける場所は高級クラブやキャバクラ。予算のない会社は、自分の会社の事務員の女のコを連れて飲み会を開くことも。ウチの会社のおじさんが、メーカーの女のコを持ち帰っちゃうこともあるし」

 プロのお店のみならず、素人の女性社員を動員して接待なんて、そんなことがいまだにあるのか。恐るべし建設業界。だが、接待をセッティングをする側にも、この風習が「クソどうでもいい仕事」と感じている人間はいるようだ。

「ウチの会社のお客さんは大手ゼネコンや中小の建設会社。得意先を高級寿司屋や高級クラブ、キャバクラ、風俗に連れて行くのが僕の仕事の一つです。でも、接待に行くくらいなら家に帰って寝ていたい」

 魂が抜かれたように淡々と話すのは、インフラ系の建設資材を製造するメーカーに勤めるCさん(30代前半)。さわやかなイケメンパパのCさんは、数年前からこの会社で営業マンをしている。

「入社する時に念押しで確認されたのが、『お酒飲める?』でしたから」

【関連記事】
憧れのプロジェクトXで消耗、組織に巣くう責任を取らない上司と忖度おじさん
『新規事業開発部』という名の迷宮、なぜブルシット・ジョブが生まれるのか?