年が明けると大学入試共通テストが目前に迫り、本格的な入試シーズンに突入する。今年の現役受験生はコロナ禍で中学・高校時代を過ごし、オンラインでの学びを余儀なくされた学生がほとんどだろう。この、ICTを活用した個別学習。学びの環境格差を埋め、平等な学習機会を提供するもののように見られがちだが、本当にそうか?むしろ「副作用の存在」があると指摘するのが、元文部科学省キャリア官僚の寺田拓真氏だ。新著『教育改革を「改革」する。』(学事出版)より一部を抜粋・再編集し、お届けする。(JBpress)
(2回目/全3回)
>>>1回目「“誰一人取り残さない”はずが格差拡大?ICTによる個別学習がはらむ副作用」から読む
楽しく続けられ“そうな”ゲーム性
こちらの画像がDuolingoのプラットフォームです。
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レッスンでは随所で、楽しいアニメーションや効果音が流れます。また、レッスンをクリアすると、経験値(XP)と、ジェム/リンゴットという仮想通貨を獲得することができます。そして、アプリ内にはショップがあり、ジェム/リンゴットを使って、より効率的に経験値を獲得するためのアイテムを購入することができます。
さらに、ゲーム性をより一層高めるのは、画面右側にある「ランキングボード」です。経験値をもとにランキング化がなされ、学習者は、他の学習者(プレイヤー)と競争しながら、学習を行うことができます。
どうでしょうか? 「一人ひとりのペースに合った学習」「AIを活用した、一人ひとりのレベルに応じた問題」「Gamification」「楽しいアニメーションや効果音」「即座のフィードバック」「アイテム」「ランキングボード」などなど。楽しく学習を続けられそうではありませんか?
ところが。
大学院での課題の一環として、僕も実際にアプリを使ってみました。そして学習開始から25日後、こんなお祝いのメッセージが流れました。