最高視聴率は81.4%、過去最低は2021年

 ビデオリサーチによると1963年には関東地区の平均世帯視聴率が81.4%を記録。「紅白歌合戦を見なければ年を越せない」と言われるほど国民的な番組となりました*1

*1:記事中の視聴率はすべてビデオリサーチ調べ、関東地区の番組平均世帯視聴率を採用(番組が2部制になった1989年以降は2部の視聴率)、視聴率詳細はこちら

 ただ、視聴率は1980年代後半から50%前後に低下し、2000年代に入ると40%前後に低迷しました。娯楽の多様化に伴い、家族でテレビの前に集まり「紅白歌合戦」を見るという文化が薄れていきました。

 その後も民放各局の大みそか番組が人気を博してきたほか、若年層のテレビ離れなどが進み紅白歌合戦の視聴率低迷に拍車をかけます。2021年のトリを含む第2部の関東地区の平均視聴率は34.3%と、2部制になった1989年以降で最低を記録。翌年2022年も同視聴率が35.3%と2021年に続く過去2番目の視聴率となりました。

 NHKは公共放送ですが、視聴率の低迷は「国民みんなに見てもらう」という紅白歌合戦の「公共性」に疑問を投げかけることにもなりかねません。こうした背景から、視聴率を稼げそうなお笑い芸人や海外の人気アーティストなどをあの手この手で出演させたり、その年に話題となったアニメや映画などとのコラボレーションを企画したりと、演出も多様化していきました。若い世代を中心に好みの音楽が多様化していることも、演歌やポップスに限らず出場者の幅を広げる一因となってきました。

出所:共同通信社
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 特に、旧ジャニーズ事務所のタレントは紅白歌合戦を支える存在でした。性加害問題を受けて2023年は1人も出場しませんが、旧ジャニーズタレントの紅白初出場は1965年のジャニーズでした。その後、フォーリーブス、郷ひろみ、田原俊彦、近藤真彦、シブがき隊、少年隊、光GENJI、SMAP、TOKIO、嵐、関ジャニ∞、Sexy Zone、V6、King & Prince、SixTONES、Snow Manなど多くの旧ジャニーズタレントが出場してきました。視聴率を稼ぐために旧ジャニーズタレントの人気に頼ろうとしたとの指摘もあります。