目の前でノーヒットノーランを見せつけられたヤンキースのキャッシュマンGM

 しかし、その一方で気がかりなのは西海岸のドジャースと同じくMLB名門球団として長きにわたり、常勝軍団の名を轟かせてきた東海岸の雄ニューヨーク・ヤンキースの“没落ぶり”だ。今オフのストーブリーグでは山本を巡る10球団以上の争奪戦の末、ドジャースとともに最終2球団の候補にまで残ったとみられたものの結局最後はフラれる形になった。

 今季は7年ぶりにポストシーズン進出を逃し、14年ぶりの世界一奪回もはかない夢に終わった。2023年のレギュラーシーズン成績も82勝80敗でわずか貯金2。

 確かにヤンキースは今季まで1992年シーズンを最後に借金生活に一度も陥ったことがない。しかしながら今季の勝率5割8厘は1993年以降、過去21年間でワーストの数字だ。

 その屈辱を晴らし、覇権奪回に臨む上でも今オフの投打にわたる補強は欠かせない重要なピースだ。だからこそ今年で就任25年目となった編成トップのブライアン・キャッシュマンGMも大谷、山本のダブル獲得に対し、チームの7年ぶりポストシーズン進出が怪しくなっていた今夏辺りから前のめりになっていた。

山本由伸にフラれる形となったヤンキースのブライアン・キャッシュマンGM(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)山本由伸にフラれる形となったヤンキースのブライアン・キャッシュマンGM(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)