「団地再生」の機運が一段と高まるきっかけに

 良品計画は、現在年間100戸程度のリノベーションを手がけているが、専用部だけではなく、共用部も含めた団地まるごとリノベーションにも取り組んでいる。

 すでに2021年から千葉県千葉市の花見川団地で、団地内の商店街をリノベーションする取り組みを始めている。間もなく完成する予定で、同社では「団地の活性化に貢献するのではないか」と期待している。

 そのほか、団地まるごとリノベーションは、首都圏や近畿圏の合計4団地で動き始めており、団地再生の機運が一段と高まるきっかけになるのではないだろうか。その結果、専用部の居室リノベーションと相まって、団地人気は今後も広がっていきそうだ。

 事実、「MUJI×UR団地リノベーションプロジェクト」の調査によると、「リノベーション後の古い団地に住んでみたい」かどうかという質問に対して、「そう思う」と回答した人が32%で、「ややそう思う」が29%と、合計6割以上の人がリノベーション後の団地に関心を持っていることが分かった。

 居室部分のリノベーションだけではなく、団地まるごとリノベーションといった共用部のリノベーションがいっそう浸透し、広く一般の人に知られるようになれば、団地住まいを「エモい」と考える人がますます増えるのではないだろうか。