池田大作氏が日本政治に与えた影響

 政治における池田大作さんの影響は、まさに国内政治でも外交でも深く広く及んでおり、特に「生命の続く限り、私は書き続ける。正しい仏法とは何か。正しい人生とは何か。そして、何が歴史の『真実』か。人間にとって『正義』の戦いとは何かを。そこに、人類の未来を開く、一筋の道があるからだ」(新人間革命)というくだりを見るに、単にひとつの宗教の信心にとどまらず、ある一定の現代政治思想そのものであったとも言えます。いまの世の中はどうあるべきか、という。

 続いて「戦争ほど残酷なものはない。戦争ほど悲惨なものはない。だが、その戦争はまだ続いていた」(小説人間革命)、「平和ほど、尊きものはない。平和ほど、幸福なものはない。平和こそ、人類の進むべき、根本の第一歩であらねばならない」(新人間革命)など、いずれも戦後日本の平和外交の礎となるような思想の根幹を池田大作さんが公論として広め、世界的に見ても独自の立場を取る日本の平和外交路線に導く作用を果たしたということができます。

 これは、単に資源のない日本が世界の安全の配当を受け取る国だからという一国の繁栄を目指すにとどまるものではなく、見ていると、割と積極的に世界各地の紛争や災害に対して人道的な立場から日本が果たせる役割を見つけ、果たしていこうという高邁な考え方が根底にあるような気がしてなりません。

今から60年前、若かりし頃の池田大作氏(写真:共同通信)