神津議員 第三者委員会からの承認を得ているというやり方はいいと思います。ただ、私の立場から、「では、どういう計算式でやっているのか?」ということを聞いても、実はなかなか出てこなかったんですね。最初はずっと、「ない、ない」と言われていて、2012 年の資料が出てきて、それで、「あった」ということが分かったんですが、たとえば、この業務には処理に何分かかって、それかける基本的な給与とか、いろいろな計算式があるわけですけれども、その金額とか分数はオープンになっていないんです。

 そういうものは、やはり細かい計算式などもちゃんとオープンにすることによって、初めてその金額の妥当性というものが検証できるのではないかと思っております。その計算の基準について、全て公開していただけないでしょうか。

神田大臣政務官 神津委員ご指摘の経費計算基準は、先ほども申し上げましたが、日本損害保険協会において、学識経験者や会計専門家等の外部の有識者等により作成されているものであり、自賠責保険審議会の資料において、社費の計算方法の考え方や例、あるいは、経費計算基準を全社が使用することについての考え方などについて、算出の見直しに当たり行った業務実態調査の概要などとともに公表をしております。金融庁としては、その公表の範囲の妥当性について、必要に応じて日本損害保険協会と議論をしてまいりたいと思います。

神津議員 経費計算基準の公開を求めて、理事会で協議を図っていただくようにお願いいたします。

長坂康正(国土交通委員長) ただいまの件につきましては、理事会で協議いたします。

神津委員 ありがとうございます。以上で質問を終わらせていただきます。

「1件当たり5056円」の算出根拠は

 この日の質疑を終えた神津議員は語ります。

「金融庁には事前に、各費目の積算根拠を出すようにお願いしたのですが、結局出してくれませんでした。第三者委員会の方々がその数字を見たうえで、『いい』と言っているのだからおかしくはないと言うのです。しかし、私が見た限り、第三者委員会に提出している資料自体、細かく書かれていないんです。自賠責保険は本当に、ノーロス・ノープロフィットなのか? この問題については、来年春の国会でも引き続き追及していきたいと思っています」

 神津議員が求めた、社費に関する経費計算基準の公開。金融庁は国会で、「その公表の範囲の妥当性について、必要に応じて日本損害保険協会と議論をしてまいりたい」と答えました。しかし、そもそも、法律で加入が義務付けられている保険料の算出根拠について、「公表の範囲の妥当性」に議論が必要なのでしょうか。

 国交省は最後に、公開については「理事会で協議する」と答えました。「利潤や損失を生じさせない水準とすることが求められている」という以上、自賠責保険料を支払っている多くの自動車ユーザーが納得できるよう、まずは1件当たり5056円という「社費」の算出根拠を明らかにしたうえで、納得のいく説明をしてもらいたいと思います。