積立元本が増えたら、新規投資対象の金融商品変更も

 まず、1992年末に10万円を投資し、その後2021年末まで10万円を投資し続けたケース(合計投資額300万円)では、実際の収益率のケースでは2022年末に617万円になっている(棒グラフ)。

 次に、降順で並べ替えた収益率での積立投資成果は、116万円まで落ち込んでいる。積立当初の高い収益率が奏功して2011年までは良好に推移して700万円にまで達したものの、この膨らんだ資産額に対して、その後は相次ぎマイナスの収益率が続くため、最終的には実際の収益率を大幅に下回ってしまっているのである。

 逆に、昇順で並べ替えた収益率での積立投資成果は、大きく異なる。なんと、3167万円まで大幅な増加になっているのである。特に最終局面での増加額は凄まじく、2022年だけで1184万円の増加となっている。2021年末の1983万円が2022年に59.7%の収益率で増加したからである。積み立てによる元本増加の影響は、投資の最終盤の収益率の水準に依存しているのが理解されよう。

 一括投資の場合には、投下する元本が通期で一定であるものの、積立投資の場合には、年月の経過とともに増加していくため、終盤期の収益率が、最終的な投資成果に大きな影響を及ぼす。

 積立元本が増加していくにつれて、最大損失額を考慮して、新規で積み立てる金融商品を変えるなどの工夫も必要になるだろう。許容できる最大損失額が大きい個人投資家の場合には、このような心配は無用であるが、一般には、積立対象をリスク水準の低いものに変える時期が来ると考えてよいだろう。

 重要な点は、自らの許容度を確認しつつ、積立投資を行う必要があるということであり、投資初心者に適しているからという触れ込みだけで、何も考えずに踏み出すべきではないだろう。拡充されるNISAの非課税枠を上手に活用するためにも、一定の準備は必要なのである。

※本稿は筆者個人の見解です。実際の投資に関しては、ご自身の判断と責任において行われますようお願い申し上げます。YouTubeで動画シリーズ「ハートで感じる資産形成」(外部サイト)も公開しています。