(写真:ロイター/アフロ)

 米アマゾン・ドット・コムが、電子商取引(EC)プラットフォームのカナダ・ショッピファイ(Shopify)と提携した。競合同士といわれてきた両社にとって異例の展開だと米メディアが報じている。

Shopify店舗、Amazonサービスの提供・利用可能に

 アマゾンは23年8月31日、同社の小売業者向けサービス「Buy with Prime(バイ・ウィズ・プライム)」がショッピファイのプラットフォームと連携すると発表した

 これにより、ショッピファイのECサイト構築・運営支援サービスを利用する小売業者(ショッピファイ加盟店)は、自社ECサイトにアマゾンの決済・物流サービスを簡単に組み込めるようになる。商品詳細ページには「Buy with Prime(Primeで購入)」ボタンを容易に設置でき、ショッピファイの管理画面で注文情報などを集約して表示できるようになる。

 アマゾンの有料プログラム「Prime(プライム)」の会員がこのボタンを押すと、自分のアマゾンアカウントで決済できる。アマゾンサイトと同様にPrime特典である翌日配達や翌々日配達を送料なしで利用できるほか、返品時の送料がかからない。

条件はアマゾンの物流サービス利用

 Buy with Primeを利用する小売業者には条件が課される。アマゾンの物流サービス「フルフィルメント・バイ・アマゾン(FBA)」を利用する必要がある。これはアマゾンが商品を預かり、倉庫保管や梱包、出荷、配送業務などを代行するというものだ。これによりアマゾンはPrime会員へ迅速に商品を配達できるようになる。

 アマゾンによると、まずは米国の一部のショッピファイ加盟店を対象に招待制で提供し、23年9月末までにはFBAを利用するすべての米国ショッピファイ加盟店に広げる予定だ。同社によれば、Buy with Primeを利用するとコンバージョン率(サイト訪問者のうち商品購入の比率)が平均で25%上昇するという。