アマゾンのフルフィルメント センター(写真:ロイター/アフロ)

 米アマゾン・ドット・コムが年末商戦期間中に出品者向け物流サービスの料金を引き上げると、米CNBCが8月16日に報じた

追加料金1商品に付き約50円

 2022年8月16日に送付した出品者宛ての電子メールで通知した。期間は22年10月15日~23年1月14日。この期間に米国とカナダで販売される商品が対象になり、1商品当たり35セント(約47円)の追加料金を課すという。

 「ホリデーサーチャージ」とも呼ばれる追加料金を導入するのは初めてだとアマゾンは説明している。「物流コストはますます上昇しており、年末年始の繁忙期にコストを自社で吸収するのが困難になる」としている。

 「販売パートナーはアマゾンにとって極めて重要であり、これは決して軽々しく決定したものではない」とも説明した。

 CNBCによると、一般に、米UPSや米フェデックスといった物流大手は、年末商戦時期にホリデーサーチャージを導入する。米郵政公社(USPS)も先ごろ、一時的な値上げを発表。これにより、年末時の取扱い荷物のコスト増加分をカバーするという。

アマゾン、出品者向け事業が好調

 アマゾンは出品者の商品を預かり、出品者に代わって倉庫保管や梱包、出荷、配送業務などを行うサービス「フルフィルメント・バイ・アマゾン(FBA)」を提供している。

 アマゾンのEC(電子商取引)サイトでは、「サードパーティーセラー」とも呼ばれる出品者の商品取扱高が、アマゾンのEC直販事業の売上高を上回る規模に成長している。アマゾンは出品者からFBAの料金や販売手数料などを得ている。

 この「サードパーティーセラーサービス」事業の売上高は、21年に前年比28%増の1033億6600万ドル(約13兆8700億円)となり、全売上高の22%を占めた(アマゾンの年次報告書)。

 同事業の売上高は22年4~6月期に273億7600万ドル(約3兆6700億円)となり、前年同期から9%増加した。これに対し直営ネット通販事業の売上高は、508億5500万ドル(約6兆8200億円)と同4%減少した。

4月にサーチャージ導入したばかり

 米労働省が8月10日に発表した22年7月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で8.5%上昇した。約40年半ぶりの大きさだった6月の伸び率9.1%から縮小したものの、食品や住居費、電気代などが上昇しており、依然記録的な高い伸びが続いている。米国のガソリン価格は前月から下がったが、1年前から44%上昇した。

 今回の追加料金は、急激なインフレ進行に対処するためのアマゾンの最新の取り組みだとCNBCは報じている。

 アマゾンは21年4月にサーチャージ制度を導入したばかり。この時は従来のFBAサービス料金に5%を上乗せするものだったが、その時点でアマゾンは「上乗せ率は今後変更する可能性がある」と説明していた。

 アンディ・ジャシーCEO(最高経営責任者)はCNBCとのインタビューで、「ある限界に達すると、これらのすべてのコストを吸収し続けることができなくなり、健全な経営が不可能になる」とも語っていた。

 (参考・関連記事)「アマゾン、出品者向け物流サービスで手数料5%上乗せ | JDIR