ショッピファイ ロゴ イメージ(写真:ZUMA Press/アフロ)

 米アマゾン・ドット・コムが、オーストラリアの電子商取引(EC)構築プラットフォーム企業、セルズ(Selz)を買収していたことが分かったと、米ウォール・ストリート・ジャーナル米CNBCが2月16日に報じた。

ECプラットフォーム企業に対抗

 アマゾンは1月15日にセルズの買収を完了したが、これまで公表していなかった。アマゾンの広報担当者はウォール・ストリート・ジャーナルなどの取材に対し買収の事実を認めた。ただし取引金額などの詳細は非公開としている。

 セルズのマーティン・ルーシェCEO(最高経営責任者)はブログへの投稿で「起業家のために使いやすいツールを作り続ける。アマゾンとの協力を楽しみにしている」とコメントした。

 セルズは2013年創業で、シドニーに本社を置く。社員数30~50人の企業。中小の小売業者がECサイトを構築したり、既存のウェブサイトにオンライン決済機能を追加したりするためのプラットフォームを提供している。

 中小企業向けECサイト構築・運営支援の分野では、カナダの大手ショッピファイ(Shopify)が急成長している。アマゾンはセルズを取り込むことで、ショッピファイや米ビッグコマースなどのECプラットフォームに対抗するようだ。

販売伸ばすショッピファイの顧客

 CNBCによると、アマゾンはかつて「Amazon Webstore」と呼ぶ、ショッピファイに似たサービスを展開していた。だが、このサービスは15年に閉鎖した。一方で、収益性の高い外部業者の商品を扱うマーケットプレイス事業を積極展開しており、今ではその販売額が物品販売総額のほぼ6割を占めるまでになった。出店業者は世界で250万社以上に上り、今も増え続けている。