インドオフィス内のロゴ(写真:ロイター/アフロ)

 米アマゾン・ドット・コムがインドで展開している出品者向け輸出販売事業の総輸出額が20億ドル(約2150億円)の大台を超えたと、ロイター通信が報じた。

アマゾンの「グローバル・セリング」事業

 アマゾンは出品者向けの販路拡大サービスとして、「グローバル・セリング」と呼ぶ海外販売プログラム提供しており、インドでも2015年から展開している。

 アマゾンのインド出品サービス部門担当バイスプレジデントによると、インドでこのプログラムを開始してから総輸出額が10億ドル(約1070億円)に達するまでに3年かかった。しかし、その後のわずか1年半で2倍の20億ドルを超えた。同国の中小業者向け輸出事業は急成長しているという。

 アマゾンのインドのマーケットプレイスには55万社以上の出品者が登録しており、うちグローバル・セリングに参加して輸出販売している企業は6万社以上になるという。

 アマゾンはこのグローバル・セリングを世界16カ国で展開している。インドの出品者も他国の出品者同様に、15カ国のアマゾンサイトの顧客に輸出販売できるが、中でも同国の業者にとって最大の市場は米国。米国ではアパレルや宝飾品、家庭用品、皮革製品といったインド製品がよく売れているという。

インドの輸出販売事業を100億ドル規模に

 これに先立つ今年1月、アマゾンのジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)は、ニューデリーで開催した中小企業向けイベントで同国企業のデジタル化を支援するため、10億ドルを投じると明らかにした。インドの100地域にデジタルセンターを開設し、ネット販売やマーケティング、物流を支援するという。

 ベゾスCEOはこのとき併せて、インド製品を世界市場で販売する輸出事業にも力を入れ、2025年までに商品取扱高を100億ドル(約1兆700億円)にすると述べていた(米CNBCの記事)。