米アマゾン・ドット・コムは4月21日、外部の小売業者がアマゾンの物流資源を利用し、迅速に商品を配達できるようにするサービスを始めると明らかにした。
他社サイトに「Primeで購入」ボタン
「Buy with Prime(バイ・ウィズ・プライム)」と呼ぶ小売業者向けの新サービスで、決済や商品保管、配送などの業務にアマゾンのシステムと物流資源を利用できる。小売業者は自社の電子商取引(EC)サイトの商品ページに「Buy with Prime(Primeで購入)」ボタンを設置できるようになる。
アマゾンの有料プログラム「Prime」の会員はこのボタンを押せば、アマゾンのアカウントで決済できる。アマゾンのサイトと同様にPrime特典の翌日配達や翌々日配達を送料なしで利用できるほか、返品の際に送料がかからない。
当初は、アマゾンが商品を預かり、倉庫保管や梱包、出荷、配送業務などを代行するサービス「フルフィルメント・バイ・アマゾン(FBA)」を利用する出品者に招待制で提供する。
だが、米CNBCは、「ゆくゆくはアマゾンサイトに出品する業者以外にも、このサービスを広げていく計画だ」と報じている。
コンシューマー事業CEO「米国最大の宅配業者になる」
アマゾンはこの数年で物流拠点を急拡大している。米ウォール・ストリート・ジャーナルによると、発送センターや仕分けセンター、宅配ステーションなどの施設を過去2年でほぼ2倍に拡大した。同社が米国に持つ物流拠点は約1000カ所に上る。カナダ物流コンサルティング会社MWPVLインターナショナルによると、アマゾンは即日・翌日配達を広げるため、過去2年間で全米450カ所以上に拠点を新設した。
また、米SJコンサルティング・グループによると、 物流最終拠点から顧客宅までの「ラストマイル配送」の自社便率は21年12月時点で72%に達した。