「超速宅配」を開始したドアダッシュ(写真:ロイター/アフロ)
米アマゾン・ドット・コムが競合小売企業の食料品を配達するサービスを欧州全域や米国で始める計画だと、米メディアのジ・インフォメーションが12月13日に報じた。米宅配代行大手インスタカートのサービスに酷似しているという。
大手スーパーの商品、アマゾンサイトで販売
アマゾンは1年前に英国で「アマゾン・フレッシュ・マーケットプレイス」と呼ぶサービスを始めた。英スーパーマーケットチェーンのWMモリソン・スーパーマーケッツや生活協同組合コーポラティブ・グループ(コープ)と提携し、アマゾンのプライム会員にスーパーの商品を販売している。会員がアマゾンのアプリやウェブサイトで注文すると、「アマゾン・フレックス」と呼ぶ個人の契約業者が当日中に顧客宅に配達する。
アマゾンは日本でも食品スーパー大手のライフコーポレーションと提携し、アマゾンのサイトやアプリで受注したライフの商品を顧客に配達している。ジ・インフォメーションによるとアマゾンは2022年に同様のネットスーパーサービスを欧州や米国でも始める予定。インスタカートと直接競合することになると報じている。
アマゾンの広報担当者は「他の食料品小売企業と提携することで、より多くの顧客がオンラインショッピングできるようになる。アマゾンにとってはプライム会員により多くの選択肢と価値、利便性を提供できる」と述べている。
コロナ禍を背景に、食料品など日々の生活に必要な商品をネットで注文する人が増えている。こうした消費行動を受け、アマゾンは20年10月、オンラインの注文から1時間で生鮮食料品を店頭受け取りできるサービスを傘下の食品スーパー「ホールフーズ・マーケット」全店で始めた。米国のプライム会員向けのサービスで、35ドル(約4000円)以上の買い物で利用できる。顧客はアマゾンのウェブサイトやアプリで最寄りのホールフーズ店舗を指定し商品を選択。最後の注文確定画面で時間帯(最短1時間)を入力して注文を完了する。
客のいない「ダークストア」
20年9月にはホールフーズ・マーケットの新業態店として、宅配専用の食品スーパーを米ニューヨーク市南部ブルックリンでオープンした。この店舗には客がいない。アマゾンによると、店舗で働く数百人の従業員は迅速に注文を受け、商品を集め、配達の準備をするなど、食料品の宅配業務に従事しているという。
こうしたネット通販用日用品の物流拠点は「ダークストア」と呼ばれ、最近はこの仕組みを活用した宅配企業が増加し、競争が激化している。
例えば、米料理・食料品宅配大手ドアダッシュは21年12月6日、食料品や日用品を注文から15分以内に配達する「超速宅配」を米ニューヨーク市チェルシー地区で始めた。
米ダウ・ジョーンズのマーケットウォッチによると、ドアダッシュは米国で「ダッシュマート」と呼ぶダークストアを25拠点開設している。それぞれの施設で生鮮食料品や冷凍食品、地場産品、菓子など2000点以上の商品をそろえているという。
15分以内の「超速宅配」台頭
一方で、小売大手と宅配代行大手が提携する動きもある。20年8月にはウォルマートがインスタカートと提携しアマゾンへの対抗姿勢鮮明にした。インスタカートは米カリフォルニア州のロサンゼルスやサンフランシスコなどでウォルマートの食料品や日用品、家電製品などを最短1時間で配達している。
こうした中、最近は、15分以内の超速宅配サービスがスタートアップ企業を中心に台頭している。マーケットウォッチによると、この市場には「Buyk(バイク)」や「GoPuff(ゴーパフ)」、「JOKR(ジョーカー)」といった企業が参入している。インスタカートもこの分野に参入するとの観測が出ている。
(参考・関連記事)「アマゾン、コロナ禍で食品オンライン販売活況 | JBpress」






