(写真:アマゾンHPより)

 米アマゾン・ドット・コムは9月9日、物流施設内のロボットシステムなどを開発するベルギーのクロースターマンズ(Cloostermans)を買収することで合意したと明らかにした。クロースターマンズの技術を生かし、フルフィルメントセンター(発送センター)の省力化を進め、労働災害を防止する。

アマゾン・ロボティクスの一部に

 クロースターマンズは1884年に繊維機械の修理工場として創業し、その後産業機械メーカーとなった。現在は搬送・梱包機械の設計と製造を手がけている。アマゾンは2019年からクロースターマンズと協業し、その技術を物流施設に導入してきた。

 アマゾンは今後、規制当局などの承認を経て、買収手続きを完了させる計画。約200人いるクロースターマンズの従業員は、物流倉庫向けロボット開発・製造を手がけるアマゾン・ロボティクスに加わる予定だ。

 アマゾンのロボティクス担当バイスプレジデントであるイアン・シンプソン氏は声明で、「当社は、従業員にとって倉庫をより安全なものにするため、ロボット工学などの技術に投資している」と述べた。

 アマゾンは12年に米マサチューセッツ州ノースリーディングに拠点を構える米キバ・システムズを7億7500万ドル(当時の為替レートで約650億円)で買収した。キバは物流施設向け搬送ロボットシステムを手がけていた企業。アマゾンはこの技術を使い、自走式のロボットを開発。荷車を自動で従業員のいる場所に運ぶシステムをフルフィルメントセンターに導入した。

  15年にはキバの名称をアマゾン・ロボティクスに変更。その後事業を拡大してきた。アマゾンによると、これまでに52万台以上の自走式ロボットを世界の物流施設に配備した。