また未来の世代が交流し、理解を深めることができるよう、両国の経済界が日韓の未来パートナーシップ基金を設立することで一致した。

 しかし、韓国国内での尹大統領の訪日は、韓国側の一方的な持ち出しだったとの不満が残り、尹大統領の支持率がさらに下落する場面があった。

尹大統領の日韓関係改善意欲に応えた岸田首相

 5月7、8日に岸田首相が訪韓し、シャトル外交が完全復活した。これは尹大統領訪日の52日後という短期間で実現したものであり、尹大統領の日韓関係改善の努力に応えるものである。

 韓国国内で尹大統領訪日に対する批判が大きく、元徴用工に対する「お詫びと反省」を求める声が依然として大きいことを踏まえ、岸田首相は共同記者会見で「私自身当時厳しい環境のもとで多数の方々が大変苦しいそして悲しい思いをされたことに心が痛む思い」と述べた。

 この岸田首相の言葉は、日本では評判が悪かったが、韓国では中央日報が論評したように「最近数年間、強制徴用被害者を『旧朝鮮半島出身労働者』として責任を回避していた日本政府の立場から大きく変化した」と高く評価された。

 また、中央日報は「岸田首相が尹大統領と19-21日に広島で開催されるG7サミットで韓国人原爆犠牲者慰霊碑に一緒に参拝することにしたのも、事実上元徴用工として原爆で犠牲となった人に対する謝罪に意味だとの解釈が出ている」と伝えている。

 こうした、日韓首脳の相互往来を通じ、歴史問題に関する韓国の対日姿勢は変わってきている。