モンスターペアレントの存在は、教師を人気のない職業にしている大きな原因の一つだ

 7月の半ば、韓国の小学校はそろそろ夏休みに入ろうとしていた。そんな矢先、7月18日に韓国中を震撼させる出来事が起こった。

 終業式を間近に控えた小学校の教材準備室で、女性教諭が自殺したのだ。現場に遺書はなかった。

 この自殺は、韓国中を震撼させた。

 それは彼女の自殺の裏には保護者たちのエゴと、子供たちからも見下される教師稼業の墜落があったからだ。

 筆者も、この出来事の後に続く報道を見ながら、ここまで先生たちは追い詰められていたことを初めて知った。

 自殺した教諭は、先生になって2年目の若い女性だった。

 昨年のクラスでは彼女はとても幸せで、こんな児童たちに出逢えて良かったと保護者に宛てた手紙に綴っていた。なのに、今年になってクラスが替わってからは、辛いと漏らしていたという。

 教諭の自殺がネット上で取り上げられた時から、なぜか国民の党(与党)の議員の孫と関連があるというデマが回った。

 野党寄りのあるユーチューバーは、ハン・ギホ(国民の党)の孫が関連していると名指しで噂を広めたからだ。

 しかし、当のハン・ギホ議員は7月20日、自分には小学生の孫がいないことを公表した。

 ハン議員が急いで自分と関係のないことを明かしたのには理由がある。

 自殺した教諭が、韓国で最近話題となっている学級崩壊の犠牲者であることが判明し、これまで泣き寝入りしていた教諭たちが立ち上がったからだ。

 教師たちの横のつながりは強く次の選挙に及ぼす影響は多大である。