RX-8に試乗、マツダならではの「ロータリースポーツ」
では、話を今回のRX-8試乗に戻す。
久しぶりに乗った感想は「エンジンもハンドリングも、とても取扱いやすい」というものだ。
市街地での運転では、一分間のエンジン回転数が3000回(3000rpm)あると十分なトルク感があり、2500rpm程度でもアクセル操作に対するエンジンの反応を気持ち良く感じる。
この回転数は、エンジン排気量にもよるがガソリンエンジンと比べるとやや高めである。それでも、一般的なイメージとしてロータリーエンジンは低回転域でのトルクが低く、その分かなり高い回転数を維持するような走りを想像する人もいるだろう。
RX-8用に改良された2ローター式の13B-MSP(商品名RENESIS)は、排気をサイドポート化するなどして低回転域でのトルクを増している。また、上は9000rpm近くまで回るが、ガソリンエンジンのような“吹き上がりの良さ”とか“伸びやかさ”といった印象はない。振動が少なく回転数が上がっていく雰囲気は他に類がなく、まさにマツダの独自性を強く感じるエンジンだ。
ハンドリングについてもロータリーエンジンによる効果は大きい。軽量コンパクトなロータリーエンジンは、クルマ全体の重量バランスにも良い影響を与える。
ただし、車重は1300kgを超えているため、2ドアライトウエイトスポーツカー「ロードスター」のような軽快な動きという印象はない。かといって「フェアレディZ」のようなGT(グランドツーリングカー)でもない。
結局、マツダ独自の「ロータリースポーツ」という言葉が最も似合うハンドリングと表現するのが妥当であろう。
また、試乗車は特別仕様車のため、ドイツのビルシュタイン製のショックアブソーバーを採用しており、とくに高速道路やワインディング路ではクルマ全体と路面との追従性の良さを実感した。