その上で「フィリピンは決してアユンギン礁を見捨てることはない」との決意を改めて表明。マルコス大統領も9日、「フィリピンが自国の領域から艦船を撤去するとの取り決めや合意は承知していない」、「もしそんな合意があったとしても、今すぐ破棄する」と中国に対して強硬な姿勢を改めて示した。

フィリピンの同盟国アメリカも重大関心

 今回の事態を、フィリピンの同盟国アメリカも重く見ている。

 米国務省は6日、ホームページに、今回の中国・フィリピンの衝突について、次のように見解を示し、フィリピン政府を支持する姿勢を改めて明確にした。

「中国海警局船舶と民兵船はフィリピン沿岸警備隊船舶の合法的な航行の自由を妨害し、比船舶と乗組員を危険にさらした。このような行動は国際法に違反するだけでなく南シナ海の現状に対する脅威である」

 さらに中国側に対しては、

「南沙諸島周辺での比公船に対する武力行使は、米比相互防衛協定に基づく武力行使の発動条件になりうる」

 と、武力行為までチラつかせた極めて強い警告を発している。