中国経済の悪化が止まらない

 何より心配なのは中国経済の悪化が止まらないことだ。

 7月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は4カ月連続で50を割り込んだ。コロナ禍以上に景況感が落ち込んでいるのはマンション販売の低迷など需要不足が深刻なためだ。

「中国政府が大規模な景気刺激策を打つ」との期待もしぼみつつあることから、筆者は「バブル崩壊後の日本のように中国の原油需要は今後急減する」と考えている。

「原油市場の需給の引き締まりはうわべだけだ。サウジアラビアなどの減産が中国などの原油需要の低迷を見えなくしている」との指摘が出ている(7月17日付ブルームバーグ)が、全く同感だ。足元で生じている原油に関する強気の見通しは9月以降、腰折れしてしまうのではないだろうか。