- 記録的な猛暑で健康被害や経済への悪影響が懸念されている。
- 食料やエネルギー価格が上昇し、株価が大きく下落する可能性もある。
- 暑さが人間の攻撃性を高めるとの研究もあり、世界規模で紛争が悪化するリスクもある。
(藤 和彦:経済産業研究所コンサルティング・フェロー)
「(世界の7月の平均気温は)数百年、数千年ぶりの高さとなる可能性がある」
米航空宇宙局(NASA)ゴダード宇宙科学研究所のギャビン・シュミット氏は7月20日、このように述べた。航空宇宙技術の研究機関として知られるNASAまでもがコメントするほど今年の北半球の夏は暑い。
欧州でも同様の見解が出ている。
欧州連合(EU)気候変動監視機構「コペルニクス気候変動サービス」も7月19日「1940年の観測以来、今年7月は世界的に史上最も暑い月として記録される可能性が高い」との分析結果を発表した。
残念ながら、この暑さは当分続きそうだ。
世界気象機関(WMO)のジョン・ネアン猛暑上級顧問は7月21日「世界の多くの地域で8月いっぱい猛暑が続く」との見通しを示している。
北半球の多くの地域が猛暑となっている主な原因は偏西風の蛇行だ。