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 夫婦生活は円満。

 一点の曇りもなく、そんなふうに言える家庭はどのくらいいるのでしょうか。

 結婚をして、ちょっとずつズレていく二人の関係は、少しずつ変化し、悩みを抱える人も多いようです。

 長年夫婦カウンセリングを行っているLifeDesignLaboの安東秀海さんは2000組の夫婦と対話をしてきました。

 その理由はさまざまですが、圧倒的に「関係の修復」を望んでいるそうです。

 では、どうやったら関係修復は実現するのか?

 そのヒントが綴られた新刊『夫は、妻は、わかってない。』(安東秀海・著)の「はじめに」を特別公開します。

「なんで結婚したんだろう……」「夫に、妻に、腹が立って仕方がない!」「なんであの夫婦は仲がいいのに、うちはこんなにしんどいんだろう」 結婚生活を続けるうちについ不満が溜まる。果てに不倫や不仲が発覚して、どうにもならないところまできてしまう……。そんなとき、どうすればいいのか。自分に優しくなれる感涙の一冊。

 夫は、妻は、わかってない。「はじめに」

「なぜ、夫婦の問題はこんなにも改善が難しいのでしょうか?」

 夫婦関係を専門とするカウンセリングオフィスを開業してからこれまで、私は約2000組のご夫婦と夫婦関係の改善をテーマにお話をしてきました。

 ご相談のテーマとなるのは、浮気や不倫、セックスレスから、コミュニケーションの改善まで多岐に渡りますが、その中で幾度となく耳にしてきたのが冒頭の言葉です。

 夫婦の問題は改善が難しい。

 確かに、それは決して簡単な道筋ではありません。けれど、実情以上に難しく感じている方が多いのではないかとも感じています。

 では、なぜ夫婦の問題を改善するのがこんなにも難しく感じられるのか?

 それは、目の前の「問題」に覆いかぶされて、本当の「問題」が見えにくくなっているからかもしれません。

「顔も見たくない」

「話す度にうんざり」

「喧嘩ばかりで傷つけ合ってしまう」

 夫婦カウンセリングでは、問題となっていることを「コミュニケーション」「価値観」「感情」の3つの領域に分類し、どこにより大きな問題が潜んでいるのかを探りながら最適な取り組み方を探っていきます。

 すると、コミュニケーション不足だと感じていた背景に価値観の違いがあったり、価値観の違いだと諦めていたすれ違いが実は感情のわだかまりのせいだったり。

 絡み合って複雑に見えていた問題が整理されることで問題との向き合い方が見えてきます。