13年前、神戸市北区の新興住宅地の路上で女子学生と談笑していた高校2年生だった堤将太さんは、突如何者かに襲われ、ナイフで何度も刺され殺された。犯人はそれから10年後に逮捕された。
この事件の裁判で、6月23日、神戸地裁は被告に対し懲役18年の判決を言い渡した。求刑は20年だったが、被告側弁護士は被告の心神耗弱を理由に懲役8年が相当だと主張していた。
納得できない裁判
被告は事件当時に17歳だったことで少年法が適用され、法廷では氏名は明らかにされなかった。そればかりか事件後10年も逃亡していて現在は30歳を超えているのに少年法で裁かれるということに、被害者の父親の敏さんは納得ができずにいた。
いや、遺族だけではない。6月初旬、3日間にわたって開かれた裁判員裁判の傍聴者の中からも「逃亡していた容疑者にまで少年法を適用するのは、加害者を守るだけのおかしな裁判ではないですか」という声が漏れていた。こうした経緯については、前回の記事でも触れているので参照してもらいたい。