7月14日、国際親善試合「MS&ADカップ2023」でパナマ代表を相手に5-0で勝利したなでしこジャパン(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

 7月20日からサッカー女子W杯が開幕する。

 W杯に向けてなでしこジャパンは大会前の最終国際親善試合(MS&ADカップ2023)対パナマ戦を7月14日に仙台で行い5-0で勝利している。FIFAランク11位の日本に対し、52位のパナマであるが、今大会のW杯の切符を手に入れて勢いのあるチームとの対戦は興味深かった。2年前の対戦では7-0と完勝した日本は、この日も序盤からダイレクトパスが面白いように回るもののなかなか決定機までもっていくことができなかった。

 エースの長谷川唯と今回の大会から「背番号10」を背負った長野風花のWボランチにパスが集まるようになり、そこから攻撃を組み立てるパターンが確立したように見えた。

 これまでは長谷川の一人ボランチが多く、強豪国との対戦ではパスの出し手の長谷川にマークが付くことで攻撃の芽が摘まれていた。しかし、この日は長野風花との呼吸も合い、お互いが絶妙な距離を保っていたので、敵のマークを絞らせることもなかった。

長谷川唯(右)と長野風花の2ショット(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

 またMFの宮澤ひなたがボールと絡む場面が多く、キラーパスを受けられれば得点の匂いがする攻撃のアクセントを引き出していた。結局前半33分までは得点を挙げられなかったが、攻撃のアクションは全盛期のなでしこジャパンまでは行かないまでも希望を感じる動きになった。長谷川唯の2得点1アシストの活躍もあり、前半2-0、後半3-0の計5-0でパナマのシュートを0本に抑えた完勝だった。