2022年4月、旧統一教会(現世界平和統一家庭連合)は東京都多摩市に6300平方メートル(1905坪)もの巨大な土地を購入した。統一教会の持つ土地としては最大の広さだ。この購入から3カ月後、安倍晋三元首相が凶弾に倒れ、およそ30年の時を経て統一教会の勧誘や霊感商法の問題が再燃した。
多摩市の住民たちは統一教会の進出を食い止めるべく反対運動を開始したが、教団は間もなく解体工事を開始する構えだ。統一教会は多摩市で何をしようと考えているのか。「統一教会はNO!多摩市民連絡会」の共同代表である永井栄俊氏に聞いた。(聞き手:長野光、ビデオジャーナリスト)
──統一教会が、多摩市内に約6300平方メートル(1905坪)に及ぶ広大な土地を購入した、ということですが、購入されたのはどのような土地なのでしょうか。
永井栄俊氏(以下、永井):都立永山高等学校の目の前です。国士舘大学の体育学部のキャンパスや尾根幹線という幹線道路、散策路として整備された「多摩よこやまの道」にも隣接しています。多摩丘陵の辺りで、たくさんの人がハイキングなどに訪れるところです。
──土地を売った和菓子卸業のA社は統一教会とは関係がない企業なのでしょうか。
永井:関係ないと思いますが、もっと調べてみなければ分かりません。なぜ他の場所ではなく、ここに統一教会が来るのかということです。誰かがそう勧めた可能性もある。
売却したのは和菓子卸業の美多加堂という会社で、統一教会にこの場所を売って八王子に移転しています。八王子は政治と統一教会のつながりが強い場所。統一教会と結び付いている八王子の政治家とつながっている多摩市の政治家もいます。
──土地の購入は完了しているようですが、すでに統一教会の人が出入りしているのでしょうか。
永井:出入りしている様子はまだ見られません。7月3日から工事を始めると統一教会は通告してきており、多摩市の阿部裕行市長が工事の取りやめを求めています。