1on1は日本企業で一般化したものの……(提供:アフロ)
  • 上司の教えを忠実に守る部下は上司の「劣化コピー」でしかない。これからの時代、自ら考え、動くような人材を育てる必要がある。
  • そのためには、上司が部下に指示・指導するような旧態依然とした上司・部下関係を変えなければならない。
  • 管理職の役割は、部下の才能と情熱を解き放ち、部下が成長する舞台を作ること。1on1はそのためのツールである。

 上司と部下の間で行う1対1の定期的なミーティング「1on1(ワンオンワン)」。評価のための人事面談とは異なり、部下の成長を支援するための人事施策として知られている。2012年にヤフーが人事制度の目玉として取り入れて以来、人材育成のトレンドの一つになった。今では、多くの企業で導入が進む。

 もっとも、1on1が一般的になる一方で、現場の上司からは「どう接すればいいか分からない」「うまく機能しない」という声もしばしば挙がる。また、部下からも「上司の愚痴を聞くばかりで、誰のための1on1なのか分からない」という声も聞く。なぜ1on1が機能しないのか。ヤフーの人事責任者として1on1を導入した本間浩輔氏(Zホールディングス・シニアアドバイザー)が見る、間違いだらけの1on1とは──。

(本間 浩輔:Zホールディングス シニアアドバイザー)

※2回目「「1on1が機能しない」と嘆く企業に欠けている上司が部下の話を聞くという風土」(6月28日公開予定)

 上司と部下が1対1で面談し、部下自身の能力を引き出すコミュニケーションの一つとして注目を集めている1on1。リクルートマネジメントソリューションズの調査によれば、今では企業の6割、7割が導入していると言われています。従業員3000人以上の企業では約75%です。

 いまや、1on1という言葉は、人事セミナーなどでも普通に使われるほどポピュラーになってきています。『ヤフーの1on1』が出版された2017年時点ではそれほど浸透していなかった印象があるので、この4、5年で広く認知されたように感じています。

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1on1ミーティング導入の実態調査(リクルートマネジメントソリューションズ)

 ただ、認知が進むとともに、1on1を導入してみたけれどうまくいかないという声も聞くようになりました。「1on1の目的が分からない」「コーチングとの違いが分からない」「上司と1on1をしたけれども全然楽しくない」というような声です。

 それでは問題がどこにあるのかと実際の1on1を見せていただくと、確かに「ヤフーでやっていた1on1ではないな」と感じることが少なくありません。そこで、「どこが違うのか」「何が問題なのか」という点をこれからお話ししたいと思います。