コーヒー業界は地球温暖化で収量が減少する「2050年問題」に直面している(写真:ロイター/アフロ)

(若林 理紗:オウルズコンサルティンググループ・ソーシャルPRスペシャリスト)

過去10年で最大伸び率の国内フェアトレード市場

 毎年5月第2土曜日(今年は13日)は、「世界フェアトレード・デー」として世界的に知られている。ESG(環境・社会・企業統治)投資におけるEnvironment(環境)だけではなく、Social(社会)への注目も高まる中、遅れていた日本のフェアトレード市場も、徐々にではあるが拡大しつつある。

 調査を行った認定NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパンによると、2022年のフェアトレード認証商品の推計市場規模は195.6億円と、2022年の157.8億円と比べて24%増と過去10年で最大の伸び率となった。市場規模の拡大幅で見れば、前年比38億円と推計史上最大の伸びである。


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 市場拡大の要因としては、主要産品であるコーヒーにおいてカフェなどの業務用と小売用のフェアトレード商品の売り上げがともに拡大したこと、ノベルティとしてフェアトレードコットン雑貨の活用が拡大したことなどが挙げられる。それぞれ前年比122%と199%の伸びとなった。

 また、フェアトレードの紅茶やバナナ、チョコレートの販売店舗や商品が拡大したことも一因だ。いずれも好調な伸びを記録しており、紅茶においては前年比235%となった。

 こうした伸びの背景には、SDGsの認知度の高まりがある。