2022年3月21日、第34回東京ガールズコレクションで、ランウェイを歩く齋藤飛鳥 写真/時事通信フォト

(小林偉:大学教授・放送作家)

1期生、2期生が全て卒業

 5月17、18日両日に渡り、東京ドームに於いて「卒業コンサート」を開催した、乃木坂46・1期生の齋藤飛鳥。これでグループのオリジナルメンバーである1期生、そして、彼女たちに続いた2期生も全て乃木坂46から“卒業”となりました。

 乃木坂46が結成されたのは2011年8月のこと。その際、結成メンバーとして選出された1期生は36名でしたが、2名が本格的活動前に辞退し、事実上34名で活動開始。その約1年半後の2013年3月には2期生14名(研究生も含む)が加入しています。それから10年余の歳月を経て、黎明期から支えてきたメンバーが全員グループを去ったワケですね。

 そんな“卒業生”たちの再出発を祝う場として開催されるのが「卒業公演」。厳密に言うと、乃木坂46には「卒業コンサート」という名称で行われるものと「卒業セレモニー」と題されるものの主に2パターンがあります。その違いは明文化されているものではありませんが、「コンサート」の方がライブとして3時間近く催されるのに対して、「セレモニー」の方は、2時間弱でトークなどを交え、披露される曲数も少なく、文字通り“セレモニー”感が強いものとなっています。

 例えば、グループ史の中でも屈指の人気メンバーだった、深川麻衣、橋本奈々未、生駒里奈、西野七瀬、白石麻衣、松村沙友理、高山一実、生田絵梨花、秋元真夏などは「卒業コンサート」、対して、若月佑美、新内眞衣、星野みなみ、樋口日奈などは「卒業セレモニー」という具合です。

 さて、そんな乃木坂46史の中で初めて「卒業コンサート」が開催されたのは、2014年10月19日、東京・六本木ブルーシアターでの「乃木坂46アンダーライブ2ndシーズン・千秋楽」が、同日卒業する1期生メンバーの「伊藤寧々卒業コンサート」と併記されたもの。

 以来、先日の「齋藤飛鳥卒業コンサート」まで、27公演28名(1期生の伊藤万理華と中元日芽香は2人合同で行われました)の「卒業公演」が開催されてきました。これまで乃木坂46の“卒業生”は1期生34名、2期生14名、3期生1名の計49名(先日、この6月で北川悠理が4期生では初の卒業が発表されました)がいるのですが、その全てに「卒業公演」が準備されたワケではないんですよね。

 この「卒業公演」開催にあたっては、運営側が選曲する通常のツアーでの公演とは異なり、その冠となる卒業生自身が中心となってセットリストを作成するのが通例。よって、そこで披露された曲には、卒業生それぞれの“乃木坂愛”が色濃く反映されているわけです。

 そこで筆者は、この全ての「卒業公演」のセットリストを調査。彼女たちが自らの卒業に際して選んだ中で最も多かった曲は何かを探ってみました。乃木坂ファンの皆さんにとっては興味深く、乃木坂ビギナーの皆さんにとっては彼女たちの曲を聴きはじめるキッカケになるのでは・・・と確信した次第。マァ気軽な感じで読み進めていただければ幸いです。