浅香航大(2020年11月3日、第33回東京国際映画祭) 写真=2020 TIFF/アフロ

(小林偉:放送作家・大学講師)

連続ドラマの約半数は「深夜ドラマ」

 総務省の統計によると、日本人の就寝時間の全国平均は、23時12分だそうです。勿論、年齢層や職業の違いなどによってバラつきはありますが、多くの人々にとって23時という時間以降が“深夜”となるようですね。

 その一方で、現在1週間に放送されている地上波連続ドラマ枠の内、およそ半数(16/33)は、23時台以降にスタート。ここ数年で、深夜ドラマはかつてないほどに激増しているんです。

 これは、CMスポンサーによるターゲット戦略の影響が大きいでしょう。比較的就寝時間が遅い若者層は“コア層”とも呼ばれ、購買意欲が高いため、スポンサー企業にとっては最も観てほしい層。現在では、ある意味、公表されている視聴率以上に注目度が増しているTVerなどの見逃し配信との親和性が高い層でもあります。

 ちなみに現在、CMのないNHKには再放送枠を除けば、23時以降スタートの連続ドラマ枠は存在しませんが、将来の受信料収入を支える層をいつまでも無視できないでしょうし、早晩、深夜ドラマへも進出してくるものと思われます。

 こうして、増大し続けている“深夜ドラマ枠”。当然のごとく、ゴールデン/プライム(19~23時)の時間帯に放送されているドラマに比べ低予算な一方、表現の自由度が高くなっています。

 それ故、いわば独立系映画のような活気に満ちている作品も散見できますし、活きの良い新進若手役者たちの躍動ぶりも堪能できるのです。

 そこで今回は、そんな“深夜ドラマ”で活躍している俳優の中で、筆者が特に気になっている方々についてお話させていただこうと思います。・・・皆さんは何人ご存知でしょうか?